このレビューはネタバレを含みます
とんでもなく奇怪な映画だ。
酔狂な男たちの奇妙でおかしな話だ。
1年間にどれだけ多くの鳥を見るか競う大会に参加した男たち。その基準はなんと自己申告だ。それも鳴き声を聞いただけでもいいという不思議なルール。
それを三人の男は、律儀にも目にした物だけをカウントして競い合う。
三人は三者三様の人生の中で、その時間と金を工面して鳥を探索する。
極めてマニアックな趣向だ。
彼らはなんと最大755種以上も見つけ出す。
一人は離婚した上に仕事を辞めて勤しもうとする。年老いた両親に小言を言われながら、鳥を探す。
一人は鳥のせいで何度も離婚する奇人。彼は現役の世界記録保持者だ。
一人は年老いた社長。
彼らは自分の人生のすべてを賭けて鳥を探索する。異常な執着と異常な知識で、ある時は週一回しか飛ばない孤島に乗り込み、ある時はヘリコプターで一匹の鳥を追いかけ回し、ある時は遊覧船の邪魔をして鳥を見つけようとする。
彼らはただただ純粋に鳥が見たいのだ。
三人はハクトウワシの求愛を一緒に見ては感動し、騙し合い、協力し合い、苦境を乗り越えながら自分の趣味を追求する。
言い換えるなら、男の夢だ。
全てを投げ捨ててでも捧げられる夢。
なんとかっこいいのか。
悪いのか(笑)
憧れるような、別に憧れないような。ポケモンGOにハマる人と変わらないような。
とにかく奇怪な映画だった。