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アキラとあきらのn0701のネタバレレビュー・内容・結末

アキラとあきら(2022年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

山崎瑛と階堂彬の2人の「あきら」は銀行員として働き始める。方や階堂彬は新採研修で融資を受ける債務者として業績を粉飾決算して金を借りようとし、山崎瑛はその粉飾を見破るというプレゼンを披露し、「伝説の新入社員」として、鳴り物入りで行員人生を歩みだす。

山崎は実家のベアリング工場が倒産し、人のためになる融資をすることが自分に課せられた宿命だと心に誓う。

階堂の父は「東海郵船」の社長であり、親族も「東海商会」「東海観光」の社長という華麗なる一族である。

2人の優秀な銀行員は、それぞれ自分たちの銀行員生活を送ることとなるが、山崎はアメリカで手術する必要のある子どもを抱える債務者が破産した際に、子どものために蓄えていた貯金を債務者である銀行に差し押さえられないように銀行口座を解約する助言をして左遷される。

階堂は叔父が社長を勤める「東海商会」が新たに事業展開する「下田リゾート」の開発に手を付け、リーマンショックなどにより経営破綻寸前まで追い詰められることになる。

山崎は地方に「島流し」されてからも債務者のコンサルタントのように事業への助言をしながら融資を行い着実に成果を出していった。

一方階堂は父の死後、父の遺言により「東海郵船」の株式をすべて引き継いだものの事業にはタッチせず、すべて弟に任せることを決める。しかし、これを好機と2人の叔父は階堂弟を騙し、巨額の連帯債務と融資を行うこととなる。名目はリゾートの新規開拓ということで融資をしたが、その実、単なる赤字補填であった。その結果、「東海郵船」も経営危機に直面することとなる。

物語はここから急転直下、転換期を迎える。
山崎は地方での業績が認められ、本店に返り咲き、階堂は父の会社を守るため銀行員を退職することとなる。

そして、階堂は「東海郵船」の社長として立て直しを図るが、巨額の債務を抱えた「下田リゾート」を売却し、負債を解消する手立てが見つからない。

そこに手を貸し、この難局を乗り越えようとしたのが、山崎であった。彼らは「東海商会」ごと「下田リゾート」を売却し、債務を引き取ってもらうことを提案する。しかし、「東海商会」の販売網などの情報を欲しがる企業はあれども、「下田リゾート」の債務、ましてや連帯保証まで引き受ける企業はどこにも存在しなかった。

もう泥舟の状態である「下田リゾート」ごと「東海郵船」も潰れるかと思われたその時、山崎にアイデアが浮かぶ。

それは、「東海商会」と「東海観光」を「東海郵船」と合併し、連帯債務を解消し、「東海商会」と「下田リゾート」のみを(連帯債務なしにした状態で)売却するというものだった。
これにより買い手である麦酒会社は了承し、残すは銀行の資金融資のみとなった。

融資する金額は90億円。
一見すると、どう見ても回収不可能のように見えるが、山崎の熱いプレゼンにより、頭取の稟議が承認されることとなる。この稟議には「確・実・性」があったからだ。



物語としてはほぼ半沢直樹で見たような内容だと思ったが、一応、2人の若手行員が互いの立場を最大限に活かして描かれていた。
まずまずだった。
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