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六頭の黒馬
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『六頭の黒馬』に投稿された感想・評価

鞍を持って広野をひとりで歩いていくのが、我らが主人公。曲がったことが大嫌い。質実剛健オーディ・マーフィー。捕まえた馬が野生でないとわかれば群れに放そうとするし、闘犬をみればかわいそうだと割って入ってケンカを止めてしまう。義の人である。
義人(ぎんちゅ)オーディ・マーフィーは、西部劇においては平均的で無難なヒーローを演じていて、取り立てて魅力的なところはなかったけれど、ヒロインや脇役たちはかなりいい。
主人公たちを高額の報酬で護衛を依頼する夫人は、とても美人でインディアンにケツを叩かれても毅然としている。穏やかで紳士的な男と明らかに家庭に向かない男と、性質のちがうふたりを同伴して旅をするが、その腹には一物を抱えており…、なかなか逞しい。
すごくスタイルの良い女優さんだった。岩山に座って足崩しながら犬をなでなでする場面は、アイコン的なかっこよさ。
『ウィンチェスター銃』や『荒野の追跡』にも出ていたダン・デュリエが相棒として隣にひかえる。良いやつと見せかけて、対立してくるんだろうなと思っていたら、案の定。
コイツが初登場し、主人公を救うため、銃を持った複数人の男たちを無力化するにあたって、全員のガンベルトを外させて馬車に乗せ、その馬車を坂の下に転がして休ませていた馬を逃がしてしまう手際のよさに、百戦錬磨のやり手っぷりを感じた。
不満なのは、見映えするアクションシーンの少なさ。オーディ・マーフィーがほとんど銃を撃たない。インディアンから逃げるときにはじめて拳銃で牽制するんだけど、今までおとなしかったんだから、その男がついに銃を抜くときは、もう少し劇的に演出してほしかった。それに、残弾数えらんないガンマンとかプロじゃないから、どんくさいところは見せないでほしいな。
ラストスパートでは、いくつかの連続したアクションを畳み掛けたあとで、ついに避けられぬ宿命の決闘となるのだけれど、この緩急のつけ方が極端すぎて盛り上りを削いでいたと思う。
一番好きなのは、インディアンから逃げるシーン。馬の背中にしがみついた犬が落ちそうでドキドキ!いぬうう!犬がヤバイと思ったら、女のほうが落馬して、これを助けに行くときのオーディ・マーフィの身のこなしの見事さにときめく。
オーディ・マーフィ主演の西部劇映画。

あらすじ
旅の途中で馬をなくしてしまった男。彼は谷間で馬を捕まえるが、牧童たちが現われ彼を馬泥棒と決め付ける。あわや吊るし首かと思われた瞬間、一人のガンマンに救われる。男とガンマンは町へ到着。ある町へ行く美女の護衛を高い報酬で頼まれる。だが、行く手には凶悪なインディアンが待ちうけていた。さらに、ある事情から男とガンマンは、一対一の対決をするはめになる……。

90分でちょうどいい長さの映画ですが、僕には合わない映画だと感じました。

派手な銃撃戦がいくつもあると思ったのですが、インディアンとの戦いぐらいしかなくて、盛り上がりにかけると感じました。
一人旅

一人旅の感想・評価

3.0
TSUTAYA発掘良品よりレンタル。
ハリー・ケラー監督作。

バート・ケネディの脚本をハリー・ケラー監督が映像化した西部劇で、人妻の護衛任務に当たる二人のガンマンの宿命を描きます。

馬泥棒の濡れ衣を着せられ縛り首にされかかったところ間一髪で救出された主人公:ベンと彼を助け出した初老のガンマン:フランクが、多額の報酬と引き換えに見知らぬ人妻:ケリーを夫の待つデル・コブレの町まで送り届けるという任務に就くが、彼らの通り道は獰猛な先住民の縄張りだった―という男2女1の危険を孕んだ旅路を描いています。

好戦的な原住民との交渉決裂からの熾烈な攻防では、多数の馬が野を駆ける光景も相まって圧巻のスペクタクルを実現しています。ただ、本作最大のポイントは先住民との対立ではなく、初っ端から訳ありの雰囲気を漂わせた人妻:ケリーの本当の目的の明示を皮切りとした男女3人の心理変容にあります。フランクに命を救われた恩義があるベンと、ケリーとの間で因縁のあるフランクが辿る宿命の決斗クライマックスがあっけなく哀しげな味わいとなっていますし、ラストに登場する黒馬がガンマン二人の絆の終焉と死の到来を象徴しています。

主演のオーディ・マーフィが他の主演西部劇同様、正義感溢れるガンマンを力演していますし、相棒となり敵となるもう一人のガンマン:フランクをダン・デュリエが妙演しています。また、紅一点のヒロインに扮したジョーン・オブライエンも陰性の演技が冴えています。