もこもも

男はつらいよ 寅次郎純情詩集のもこもものレビュー・感想・評価

3.8
満男の臨時担任である柳生先生との出会いとその母・綾さんへの恋心を描いた男はつらいよシリーズ第十八作

「人間はなぜ死ぬんでしょうね」

病による死別が描かれた回で
そういうパターンがあるか...
って思わされる悲しい恋の話
綾さんの命が長くないことを
先に知ってしまったさくらの
葛藤や悲しむ姿が特別胸に沁みた

若くて美人な臨時先生の
家庭訪問の時に限って帰ってくる
寅さんは果たして幸福なのか不幸なのか
家庭訪問を無茶苦茶にされた
博さんの怒りもみんなの言葉ももっとも
ときめいたらのめり込んじゃうのは
良いこともあるけど悪いこともたくさんやね

一座の人たちとの再会はほっこりやけど
まさかの無銭飲食で警察のお世話になるか
お金さえ持ってればかっこよかってんけどね笑
「あの時は俺も若かったから」には爆笑
他人には良いカッコばっかりするけど、
この無銭飲食に加えて出前も好き放題で、
身内からしたらたまったもんじゃない
しかも頭下げてしっかり申し訳ない、
ありがとうって言うならまだしも
偉そうにする寅さんは大馬鹿者

お母さんに恋するならまだしも
ってい話をしてたらお母様の登場
しかも美人で独り者で笑っちゃった
それにしてももう長くないとはなぁ...
そういうパターンがあったか...

とらやでのご飯の前に
お祈りするシーン笑っちゃった
綾さんの働き口についてみんなで
あれこれ話すシーンは
楽しくて微笑ましいと同時に、
それは叶わない夢の話やから切ない
さくらさんの悲しそうな表情が沁みた...

最後の花屋さんの会話
綾さんと死別することがなければ
本当に現実になったかもな...
寅さんも出来ることならとらやのみんなと
一緒に生きていきたいと思ってるんやね

「誰にも愛されたことのない
 寂しい生涯だったけど
 たとえひと月でも
 寅さんっていう人が側にいて、
 お母様どんなに幸せだったか」
もこもも

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