緩やかさ

緑の光線の緩やかさのレビュー・感想・評価

緑の光線(1986年製作の映画)
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Amazon primeで再鑑賞。
リマスター的な概念はなく字幕ごと荒いけど(85年産だけど68年産みたいな画質)(人物が頻繁に瞬間移動する)、この映画が観れるだけでとてもありがたい。ありがとうAmazon。

おそらくみなさん言っているであろう、デルフィーヌ、スーパーめんどくさい。
(特に何は食べるけど何は食べないの話のところ、延々ひっぱる)
まわりの人たちは彼女に気をつかってみんな優しい。


でも初見の時は、全くめんどくさいと思わなかったことを思い出した。

それどころか、その時の自分自身(男ですが)をデルフィーヌに重ね合わせてめちゃ感情移入してたことを思い出した!

だからラストシーンであんなにもあったかい気持ちになったんだな。

あの光線はそんなに気軽なものではないかもしれないけどその時の私はラストカットに救われた。


行くところがないと言いながら裸みたいな格好でパリの街中をうろつくデルフィーヌ。
困るくらいバカンス長いし、水着の着替えも持ってる。
80年代のフランスは平和だったんだなと思いつつ、隣国のドイツはこの時まだ分断してた時代。


フランス男子の距離の詰め方がすごい。
そしてデルフィーヌの塩対応が炸裂してる。

会話劇が中心だけど、海水浴場のワイドなシーンも含めて、こんなにも自然に全てを画面に収めるロメール監督はやはり只者ではないと思った。どうやって撮ってるんだろう。
子どもがカメラ見てても気にならないくらい自然なんだよな。
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