【酩酊トゥーン】
最近の『トムとジェリー』を見たら、キレイに収まっていても、実写とアニメの握手具合がおざなりな気がしたので、久々にコチラを見返してみた。
比べればコチラはアナログ時代謹製。画と写をマッチングさせようと手間暇かけており、執念さえ感じます。そこに、今でも見惚れてしまう。
トゥーンタウンに、ちゃんと独自の慣性の法則が存在する、と信じられますね(笑)。てか、やり過ぎ。
元々、カートゥーンの動きは常軌を逸していますが、本作は色彩を含め、ドラッグ・ムービーの域にさえ踏み込んでいる。冒頭のアニメなんか異様で、スーザン・ピットの『アスパラガス』でも見ている気分になった。
表向きファミリー映画なのに、貴重な病的体験を得られるのが、本作の魅力だと思います。
お話は、悪役の本当の目的など、よくわかりませんでした。カートゥーンという夢の町と、エコノミック・アニマルを対比させるのは、スピルバーグなら考えそうなことだけど。
ロジャー・ラビットって、あの体型や声など妙に、神経にさわりました。もしや、ジャー・ジャー・ビンクスの元ネタじゃないかとさえ思った。
ジェシカ・ラビットはセクシー通り越して、ぼよよん玩具だ。抱きまくらにしたら燃えるのでなく逆に、安眠できそう。
実写主人公の役は元々、ビル・マーレイが候補だったそうで、彼のほうがより、馴染んだろうとは思う。が、ボブ・ホスキンスにしたことで、カートゥーンからひと足浮き、現実に戻りやすく成っている。
このオッサン、スピルバーグ&ゼメキスから逃れるための、架け橋だ。素晴らしいじゃないか!(笑)
個人的には、この手法でオトナ向け物語としてオモロイのは、『クールワールド』ですね。
<2022.4.11記>