麻薬取締官となるためにベテラン刑事と組まされた若い刑事がたどる、数奇な運命をめぐる物語。
デンゼル・ワシントンとイーサン・ホークの演技合戦が実物だった。デンゼル・ワシントンはおちゃらけた態度の中にも漆黒の狂気に似た物を含んでいる麻薬取締官を上手く演じていたと思うし、イーサン・ホークは真面目な新人警官の反発がありありと見てとれたのがよかった。
個人的に断固として支持したい点はカメラワークとこの映画の倫理性である。カメラワークに関しては、主人公のアロンゾ達の乗る車を多方面から映し出すものが印象的だったし、倫理性に関しても勧善懲悪的なものが感じられたのでよかった。結局潔白を貫き通したものが最後に笑うと言うメッセージ性を感じ取れたような気がした。
最後に、アロンゾも最初はジェイクと同じく正義感に溢れた人物だと思うと彼のことを哀れで悲しい存在だと言うことが感じられた。一線を越えたものと越えないものの戦いを描いた傑作。
