DORATARO

ブロークバック・マウンテンのDORATAROのレビュー・感想・評価

4.5
“ブロークバックマウンテン”それこそが彼らのノスタルジア。
季節労働者として出会った2人のカウボーイの長きに渡る純愛。さらに家父長制や男性優位性が通用しなくなるその時代の最中に、自分の生き方や理想に固執し大人になりきれない男の苦悩が描かれています。特に後者は、親になっても家庭より自分の趣味など優先する男っているよねって点で普遍のテーマかなぁと思います。今じゃ奥さんが働くのは当たり前だし夫が料理したり育児するのも当たり前。今の時代、例えば「バービー」では”男らしさ”のステレオタイプは鼻くそみたいに笑い飛ばされます。話しを戻すと、本作からはその時代アメリカの田舎において同性愛者であることの生き辛さ、男性性の陰りがよく分かります。それを表現するのが俳優たちの名演。特にヒース・レジャーの立ち方や表情で見せる老け込みっぷりやミシェル・ウィリアムズの夫に対し疑い、怒り、哀しむ演技が凄すぎ。その他雰囲気や表情から推測する深みがところどころにあるし観賞後の余韻も半端ない。
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