荒城十三

ブロークバック・マウンテンの荒城十三のレビュー・感想・評価

5.0
初めて被爆した映画。美しい自然と清らかな愛を垣間見て「切ない映画だったなあ〜」くらいの気持ちで帰宅。夜、寝る前に、購入したサントラを聞いた途端、ドッと涙が溢れた。それからというもの、後から後から映画が蘇って苦しくなり内部崩壊が起こった。ふと、イニスの嗚咽を思い出し、ジャックの切ない瞳を、妻たちの失望を、羊の死骸が脳裏に蘇っては苦しくなる。なんなんだこの映画は!普通映画ならセリフになるような言葉が1つも出てこない。ハガキの意味。釣りの意味。電話での会話。だから、映画を見たというより、体験し、釈然としない様々な出来事を心で昇華しようと、何度も思い出すのだろうか。誰も解説してくれないけど、わかる。魂が純粋に呼び合う感じ。それを誰だって求めてるんじゃないかってこと。でも、私たちは皆離れて、理想とはかけ離れ、ままならない現実を生きていくんだ。
本当に甘くて苦い映画。私の人生では1番の映画だ。
荒城十三

荒城十三