このレビューはネタバレを含みます
ワイスピあたりにも言えることだけど、「今と全然違うやんけー」という、初期の「低予算カルト映画」な佇まいが眩しいです。
車が激突する寸前のひん剥いた目のアップは強烈に頭に残るし、森のセルフ追いかけっこもホラーな趣きが巧みに作られていて怖い。
予算が少ないからこそ、知恵を絞って作られてる感じが◎
でも何が良いって、容赦なく残酷なんだよね。
女性が襲われるのがまずその導入で、グースが火を付けられて逃げられなくなるとか、嫁と子供がどこにも逃げ場のない剥き出しの道路で……とか、直接的な描写は使われていないのに背筋の凍る感覚が映画体験として観る分には良いのですよ。
THEエンタメな作品に振り切っている作品じゃない分、「こんなことは現実にも起こり得るんだよね」という怖さが、さらにそれを上乗せさせる。
タランティーノみたいに笑える残酷描写じゃないんですよね。
欲をいえば、人間失格の赤井英和みたいに、マックスの影がトーカッターを怯えさせるところも見たかった。