ガトリフ節全開な、とても大陸的で大きな包容力を持つ作品でした。
主人公たちの抱いているような、漠然としたデラシネ気質はやはり私のような島国育ちには、逆にちょっと羨ましいくらいで。
もちろん、本当にそういう問題を抱えてる人たちにとっては「いや、羨ましがられても……」って感じだとは思うけれど。
私も、好きな音楽だけをもって、好きな人と一緒に、旅にでかけてみたい。
まだ見ぬ、魂の故郷へ。
……そんなものが、私にあるかどうかは、わからないけれど。
なんといってもガトリフ映画ですので、音楽絡みのシーンは、相変わらず圧巻です。
アンダルシアのフラメンコ、アフリカ大陸のアフリカン・ビート。
何より、映画の大詰めで展開されるアルジェリアの土着的儀式でのシーンはほんと、心の底から痺れた。
私まで、トランス状態に陥るかという気分に。