<柳下美恵のピアノ＆シネマ2023>
柳下美恵さんの気合いの入った軽快な即興伴奏で。
喜劇映画研究会代表新野敏也さん解説付き。
ラブコメにドラマチックな要素や驚きのアクション満載、乗り物や動物も楽しく満喫♪
喜劇王マック・セネットが生涯愛した元祖アイドル女優にして早逝の名女優メーベル・ノーマンドの魅力満載。
この照明凝ってる！カメラ何台使用⁉︎ラングぽい⁉︎と思った所を新野敏也さんの解説&トリビア情報で学習🧐新野さん監訳『〈喜劇映画〉を発明した男』にはメーベル・ノーマンドの記述多く直販特典のカードもメーベルだった😸

併映
『磁石警察』
1902年フランス(3分/24 コマ再生)
パテ・フレール作品
製作:シャルル・パテ
監督:ジョルジュ・アト
出演:ビュイック座(サーカス団)

　サイレント映画を代表するコメディエンヌ、メーベル・ノーマンド主演の1923年の作品である。今回は弁士と楽士付き上映で鑑賞した。

　おてんばなヒロインのスー（メーベル・ノーマンド）があっちこっちで騒動を巻き起こす楽しいコメディで、生き生きした演技のノーマンドもすごく良い。アクションもうまく振り分けられていて、三幕それぞれの終わりに盛り上げがあるのでメリハリもしっかりしている。ライオンを使ったドタバタ劇は実に無茶苦茶だが、ライオンがものすごくいい動きを見せてくれるので、とてもはじけたシーンになっている。

　弁士と楽士の実演も素晴らしく全体的に面白かったのだが、「女性が夢を諦めて家庭に入る」というオチが100年前の作品とはいえ、やっぱりちょっと引っ掛かる。ところが、上映後のトークで弁士が「今の感覚なら、ハリウッドの大女優として活躍してほしかった」という批評と、「当時はハリウッドに憧れて大変な思いをする女性が多かったので、諷刺の意味もあったかもしれません」という解説を入れてくれたことで納得がいった。弁士が古典に対して現代的な視点を提示するの大事なことだと思うし、作品単体で見ただけではぬぐえない印象をフォローしてくれるという意味でも、弁士付き上映で見られたのはとても貴重な機会だった。

ピアノ伴奏付きで鑑賞。
過剰な喜劇性と繊細な演技のバランスが良い

同時上映の『磁石警察』も、動きが面白い