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壁あつき部屋のotomのレビュー・感想・評価

壁あつき部屋(1956年製作の映画)
4.7
怒りマックスまで行ってからの美子猫のお出迎えでほっこり。一応、下衆過ぎで殺されないって設定の小沢栄太郎なんだけど、浜田寅彦が畜生道のループに落ちるか落ちないかの境界の表現として白いのが現るってかなり秀逸。で、安倍公房の『戦犯とは死の商人がかけた平和の仮面である』の良くできた一文にある通り、敵の所在をよくよく考えさせられる。そして下っ端がどこまでも辛酸を舐める図式ってのは腐るほどあったであろうし、現在も同様と考えるとちょっとウンザリする。各種効果音に壁貫通のシーン等々雰囲気抜群だった。
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