けんけん3号

夢売るふたりのけんけん3号のレビュー・感想・評価

夢売るふたり(2012年製作の映画)
3.4
結婚詐欺の話。いまいち動機が分かりませんでした。個人的には、睦島と横断歩道ですれ違うところで、里子は貫也と寝た女に嫉妬し、許せず、女全般に、貫也に復讐したんだと思いました。それらの感情が映画全般に漂っていて、その内面を写し出す松たか子の演技は良かったです。物語は結婚詐欺側だけで都合よく終わらず、騙された側の話も簡潔にまとまっていて良かったです。夢を売ってもらった女性の中でも、ウエイトリフティングの話は、騙してはいけない人物を騙してしまい、見ていて気の毒でした。治療費用のアドバイスもリアルだったし、その後のいざこざで放った「私は怪物じゃない!」というセリフが心に染みました。あの短い尺で彼女の人生を想像させてしまう監督の腕は流石でした。ただ作品としては、もう少しテンポ良く出来たのかなぁ?って思った。丁寧に内面を描いているので、仕方ないかと思いますが、ラスト、子供があの行動に出る?
やるなら相手は田中麗奈だろ?って思いましたし、あの家族に取り入る様子は雑な気がしました。二人は、ほぼ目的達成していたし、結局、なにがしたかったのかが、ぼやけた気がしました。夢を売られ被害者の結末はさらりと分かりましたが、二人の結末は?上手く言えないですが、なんとなく、惜しいって感じが残りました。