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ざ・鬼太鼓座のtakaのレビュー・感想・評価

ざ・鬼太鼓座(1981年製作の映画)
4.5
書いてあるあらすじが殆ど関係ないクセ強ドキュメンタリー
若者らの登場シーンから面白く踊りながら歩くハイカラ女性がイカす!
ロン毛グラサン裸ランニング男も笑

伝統芸能を学ぶ若い人材確保と大学設立のために佐渡島で結成された「鬼太鼓座」
「走楽論」を掲げた日課の早朝マラソンは吹雪でも男達は上半身裸
序盤はシュールな画に笑っていたが徐々に只者ではない集団だということが分かってくる
合宿生活の様子から一変、舞台さながらの演目シーンになると一気に緊張感が増した

演ってることは古典だけど前衛的に映るのはアート色が強い作風だからか
サイケな電子音楽担当は一柳慧(オノ・ヨーコの元夫だそうで良い仕事してる!)
美術デザインは横尾忠則で、大道具美術の配置や色味に彼の個性が強く表れ、更にはカメラワークも攻めていて総合的なアート演出がふんだんに施されている

長回し演目は太鼓だけでなく、三味線、箏、笛と様々で、女性による舞踏はとても幻想的だし、男達は褌一丁に全身オイルを塗りたくってパワフルなバチ捌きを披露(しかもローアングルでw)仕上がった身体は日々のトレーニングが伊達ではない事も証明
終盤の商店街ライブでは、ギタリストばりのアクションを見せる笛吹きと大小の太鼓隊による一糸乱れぬアンサンブルがマジ圧巻だった!


この映画が原因で鬼太鼓座が分裂してしまったというからビックリ!
主宰兼製作の田耕氏の意図した内容と異なったため大揉めしお蔵入りとなった本作
前衛的過ぎたのが原因かもしれないが、当時公開していたら佐渡島に人が殺到してたかもしれないし、実際自分も佐渡島に行ってみたくなった

分裂後名を変えた「鼓童」は今も拠点は佐渡島のまま、一方「鬼太鼓座」は富士と秩父を拠点としどちらも世界を股に活躍中
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