ちろる

銀座二十四帖のちろるのレビュー・感想・評価

銀座二十四帖(1955年製作の映画)
4.1
銀座が好きな人。
銀座に行ったことない人。
銀座嫌いじゃない限り、みんながワクワクするとびっきりモダンで粋な銀座の路地裏の群像劇。

大学生まではほとんど興味なかった「銀座」ですが、社会人になってから職場が銀座になり、今はどんな裏道も知り尽くしているつもり。
だけど、ここには私の知らない銀座がたくさんあった。
ポン中毒(=ヒロポン)がはびこり、ギャングの香りも所々にある銀座の裏通りにはさまざまな人生が交差する。

孤児の可愛い花売りたち
銀座の街をクリーンにしたい花屋のコニイ
訳ありの美しきマダム和歌子さん
イヤミみたいなざんす口調のすけべ画家
和歌子を見張る絵描きのおじさん
バービーみたいなスタイルの雪乃ちゃん
因みにめっちゃ可愛い少女ルリちゃんは浅丘ルリ子さんだった!
たくさんの登場人物で混乱しそうなものの、個性的なキャラクターたちばかりなので、全ての人が適度に存在感を出して、些細な会話まで面白い。
ついでにカメラワークまでもおしゃれ。

雪乃ちゃんが画廊でシュウちゃんボーイにぶつかるシーンで足元だけのシーンもどうでもないのシーンなのに好き。
一体全体コニイさんの本心はどうだったのだろうか?
誠実なことは美しいけれど、硬派すぎるのはちょっと頂けない。
新たのロマンスを期待したマダムの心が少し悲しげに見えたラストは切なかったな。
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