Kumonohate

小判鮫 前篇のKumonohateのレビュー・感想・評価

小判鮫 前篇(1948年製作の映画)
3.6
観たのは前篇と後篇(第1部と第2部)を1本化した總集篇。監督は衣笠貞之助。昭和23年作。島役人の一人息子である主人公(長谷川一夫)が、無実の罪で島流しにあった男の息子(今は歌舞伎の女形になっている)(長谷川一夫:二役)を捜し出し、男を陥れた悪徳役人と商人の悪事を暴く、という話。

主人公と女形は、別に血縁関係にあるわけではないが、何故か瓜二つという設定。もともと前篇と後篇で3時間近いものを110分程度にまとめているため、若干端折り気味ではあるがそれなりに楽しめる。長谷川一夫はもちろんだが、女形に惚れる軽業師の小悪女を演じた山田五十鈴が良い。また、クライマックスの芝居小屋のシーンで、悪事が露見した役人に向かって、怒った観客達が一斉にモノ(多くは座布団)を投げつけるのが江戸っ子らしくて楽しい。
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