みはしゅん

最後の恋のはじめ方のみはしゅんのレビュー・感想・評価

最後の恋のはじめ方(2005年製作の映画)
4.4
アラジン早く観たい!という気持ちが抑えきれず、とりあえず青くないウィルスミスを観て気を休めようと適当に選んで鑑賞。とんでもなく素敵な映画に出会ってしまった。心にグサリと刺さる最高の一本だった。

主人公のヒッチ(ウィルスミス※青くない)は恋愛アドバイザー。相手の恋が実るように色々な恋愛テクニックを伝授し、依頼人を手助けする。

だが彼の仕事には明確な目的がある。


「純粋な恋を実らせる」


ワンナイト目的の男なんて願い下げ。真面目で、その子のためなら何でもするような真っ直ぐな男の手助けをする。

純粋ないい男が『誰よりもその子が好きな男』が大好きな子に自分を選んでもらえるよう奮闘する。

今作で出てくる 『好きな女の子のために奮闘する男』を見てるとまるで過去の自分を見ているような気持ちになってしまう。

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ここからは多くの自分語りを含むので、もしリアルワールドでの知り合いの人が読んでたらここでストップ。フォロワーさんの方も読むなら目を半開きにして読んでほしい。

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恋は盲目とはよく言ったものだが、私も一度好きになるとそこしか見えなくなるタイプだ。

一度、好きになった相手にこんなことを直接言ったことがある。

「貴方が幸せなら、たとえ相手が自分でなくても構わない。だけど、隣で貴方を幸せにしたい。」

今思えば死ぬほど恥ずかしいし、なんでこんなこと言ったかな……と思う。でも多分ただの本心だったんだと思う。

好きな人のためなら何でもする!お前を幸せにできるのは俺だけだ!的なね。見る人が見ればイタイもんだ。

そんな感じで、好きになるととことん好きになってしまうタイプの人間が私だ。

デートのときにはお店やルートはもちろん、しぐさ、服のシワ一つまで気にしてしまう。とことん努力するタイプ。

だからこそ今作のヒッチへの依頼人であるアルバートの行動の一つ一つが心に染みる。

大金持ちの有名人アレグラを好きになり、彼女に振り向いてもらおうとヒッチのアドバイスに耳を傾ける。

相手のしぐさの意味、キスのタイミング、そのときの唇の距離まで。全ては大好きなあの人と結ばれるために。

見た目は太ってるし、イケてる男とはまるで程遠い。だけど彼女に振り向いてもらうためにコツコツと努力する。そんなアルバートが自分と重なってみえた。

アルバートのデートが上手くいって、2人は……。

あ〜〜〜と悶える。良かったなぁアルバート。お前だけは幸せになってくれ。

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さてレビューに戻ろう。ここからは今作の核心に迫っていく。頑張ってネタバレしないように書くよ。

その後すったもんだする。(雑!)

だが、恋愛のプロだったヒッチはある大きなことに気づくのだ。


「恋愛にマニュアルなんてない」


『こうすれば相手に好きになってもらえる』そんなアドバイスばかりしてきたヒッチだが、そんな彼が一番の臆病者だったのだ。

ありのままを自分を見せるのが怖い。自分をよく見せるための努力はありのままをさらけ出せない恐れの虚像なのだ。

結局のところ、相手が自分のどんなところを好きになるかなんて分からない。恋愛に正解なんてない。

自然と出たそのしぐさ、言葉。結果的にそれが自分と相手を繋ぐ。

相性、言うなれば運命か。

いつかきっと運命の人と出会い、結ばれる。だからこそ精一杯努力するのだ。マニュアルなんかに頼らず、ありのままの自分で。

恋愛は言わばバンジージャンプのようなものだ。崖から落ちるような勇気を持って相手に飛び込んでいく。

受け止められなければそのまま落ち続ける。だがその勇気もなければ本当の幸せを知ることはできない。

今作を観て大きな勇気をもらった。最近は恋愛に対して少し臆病になっていたと思う。いつかありのままの自分を好きになってくれる素敵な人と出会えたらいいな。と思う。

恋愛に臆病な人や、恋愛に打ちのめされた経験のある人にならなおさら楽しめる一本だと思う。ちょっと奥手な人が一歩踏み出すきっかけになるような素敵な作品。ぜひ鑑賞してみてはいかが。
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