nana

ブルジョワジーの秘かな愉しみのnanaのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

ルイス・ブニュエル特集上映で鑑賞しました。
ずっと観たかった作品なので、嬉しい。

いくつかの夫婦が集まり食事会をしましょうとなれば、まず日付を間違えていて食事の準備がない。それなら近くに良い店があるので食べに行きましょうとなれば、店の主人が急死しておりお通夜の真最中。
カフェに行けば、珈琲も紅茶も切らしており水しか飲めるものがない。
ようやく食事にありつけると思えば、警察が家に入ってきて…。

「到達できない」ことを頻繁に描いている気がするブニュエルですが、観ているこちらも次第に焦らされてくるのがもどかしくも楽しい。
更には幽霊が出てきたり、復讐劇が始まったり、夢なのか現実なのか分からなくなってきたり。
「私は一体何を観ているんだろう?」という気持ちになります。
観る前は、難しい話なのかな?と思っていましたが、ブラックな皮肉に満ちた、笑える作品でした。

まっすぐに続く一本道を、黙々と歩き続ける彼等。
何もない空虚な人生を、彼等はただ「死」に向かって歩き続けているだけ、ということなのでしょうか。
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