1905年の暮れ、サンフランシスコの酒場のオーナー、ブラッキー(クラーク・ゲーブル)は職を求めて店に来たメアリー(ジャネット・マクドナルド)の才能に惚れ込む。やがて、2人は惹かれ合うようになるが、メアリーはティボリ劇場のオペラに誘われ、その関係が揺らいでしまう。そして、ブラッキーが街の再開発に向けた委員に立候補した矢先に大地震が起きる。
女を所有物扱いする男と、全く自己主張しない女との回りくどいロマンスにも見えたけど、終盤はかなりの迫力のディザスタームービーだった。
富豪の女主人いわく、“堕落した人間たちによる神をも恐れぬ罪深い街”。ゴールドラッシュを経て発展した街、サンフランシスコってそんなイメージだったんだ。
その象徴のような存在が、愚かで愛すべき悪党ブラッキー。当時の大スター、クラーク・ゲーブルがとにかくカッコいい。多少の愚かさは、いかにもな男らしさと豪胆さが隠してくれる。
そして、スペンサー・トレイシー演じる神父がまた、人間出来すぎでしょーって感じのキャラクターだ。
そんな彼らの街が崩壊し、多くの人が犠牲になり、ブラッキーは目覚めて人々は前を向く。
最後は目に見えない魂への目覚めや神への感謝と、かなり宗教色が強くなったものの、サンフランシスコの歴史の一端を見ることができたので良しとしたい。