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ドーン・オブ・ザ・デッドの都部のレビュー・感想・評価

ドーン・オブ・ザ・デッド(2004年製作の映画)
4.5
ゾンビ映画のエンターテインメントとしての全てを要素を的確かつ端的に抑えた金字塔に位置する作品で、ザック・スナイダーによるソリッドな撮影と軽快さと悪趣味さを煮詰めたジェームズ・ガンのコラボレーションの妙を面白味として十全に評価しているため文句らしい文句はない。

舞台設定の構築の迅速さから、次々に展開されていくゾンビパニックの波は常に物語に一定の緊張感を与えているし、その折に挟まれる余暇的なユーモアと平穏が登場人物たちに対する愛着を与えているように思う。新たなテンプレートを形作るという意味で、正当アップデート的な思い切りの良さも良かったな〜。トロマ出のガンによる悪趣味な展開と言えば、妊婦のあれそれは笑えるおぞましさでだいぶ好き。

リメイク作品だからと油断していると、選曲や話の構成そしてキャラクターの進退とシェームズ・ガン節がハナから効いてるのがツボ。物語の渦中に立たされる熱度が伝わってくるザラついた映像も質感として有効に作用していて色んな要素が噛み合った上での作品であることが分かる。

平穏が崩れ去る終盤の展開にも笑いを差し込むことを忘れず、特にチェンソーの下りはめちゃくちゃ良かった。それはそれとしてしっかり物語をキメてくる器用さは評価軸として大きく、後始末の付け方も尾を引くもので印象に残る。
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