犬のロボット

秋のソナタの犬のロボットのネタバレレビュー・内容・結末

秋のソナタ(1978年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

間違いなくオールタイムベストの1つ
母性の不在から生まれた親子関係の呪縛の中で、2人の対話のラストの場面で「母と子」の関係の逆転、同じ性質をもつ(対話に難がある、不在の母をエヴァに求める、上手く眠ることができない)母の分身のように描かれる妹の「ママ」が重なった瞬間は鳥肌がたった。
2人の対話がすれ違う場面で多用される縦向きと横向きの顔が並ぶショットから、母親が自らの本質を突きつけられる場面では目をこちら側に背け顔が縦に並ぶ、相手を恐れて目を背け拒絶している状態を構図の変化で暗示しているように見えたのも印象的だった。独特なタイミングで挟まれる回想の場面の俯瞰的なショットや、表情の皺一つ一つ写す力強いクローズアップも非常に良かった。
また、エヴァは子の喪失を経験した後に妹のエレーナを施設から引き取ってから子供を世話するように接しているのも恐ろしいと思った 母であること、子であることの2つの呪縛から逃れられない悲しみを抱えているのに気がついて、与えられる母性、与える母性、両方を含めて「母性」がテーマなのだろうと改めて感じた。凄すぎる……
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