転生Moljiana

秋のソナタの転生Moljianaのレビュー・感想・評価

秋のソナタ(1978年製作の映画)
3.8
私の地元で再上映されていたので視聴。多々トラブルもありましたがそれは追々。

イングマール・ベルイマン監督の晩年の作品という事ですが、やっぱりベルイマン作品は一回観ただけだと咀嚼し辛い……。何とコメントしたら良いか分からない位、色々と凄い作品でした。

今作の登場人物は実質4人。イングリッド・バーグマン演じる世界的ピアニスト・シャルロッテと二人の娘・エヴァとレナ(障害持ち)、エヴァの夫とかなりの低人数。
物語前半はシャルロッテが7年ぶりにエヴァと会い、夫(父親)の話をしたり、ピアノを演奏したりで割と和気藹々。ですが、物語後半から事態は急変……。

今迄、様々なテーマを描き続けてきたベルイマン監督が創り出した「母と子」の恐ろしくもあり悲しき物語。仕事や恋愛に興じ過ぎた所為で子供に見向きもしなかった母親と其れでも母親に愛されたかった娘による積年の感情の爆発が本当に怖い。でもこういう立場の人って社会にも一杯居るんだろうなと思うとまたげんなり。
よく児童虐待の話題になる時「子供は親を自由に選べない」という言葉を度々聞きますが、正にその通り。エヴァも母親が違えば此処まで辛い目には合わなかったでしょうし、故にシャルロッテが一度改心した後も娘への対応を間違え続けたのが第三者ながら辛く感じました。でも最後には微かに希望を見せてくれる所も好きでした。「子は子であり、絶対に親から離れる事は出来ない」のだと観終わった後に感じました。

2度目になりますが、本当に言語化し辛い(出来ても陳腐になる)凄まじい演技魂を持った作品でしたので、ベルイマン監督作品を観た事がない人にも十分オススメです。でもベルイマン監督作品は1作品につき、せめて3回は観ないと完全に愉しむ事は出来ないんだなと思った次第です……。

追記:あ、トラブルについて書き忘れた。実はですね……前日にあまり寝ていなかったのと観る直前にゲームセンターで3時間程遊んでいた為に前半、特にピアノでショパンの曲を演奏する場面で一瞬寝ました。映画館で寝るのは『ヘイトフル・エイト』以来です()
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