Yuya

秋のソナタのYuyaのレビュー・感想・評価

秋のソナタ(1978年製作の映画)
5.0
そりゃ やんなきゃならん事 考えなきゃいかん問題も多々あって いつだって好きな映画ばっか嗜んでもいられないわけで…
そんなこんなで久しぶりの鑑賞には もう胃もたれ必至な重厚作

いや これは本当に凄まじい…
ベルイマンの緻密な人物描写の配置と構成
往年の名女優バーグマンの遺作にして 鬼気迫る魂の熱演と そこに対峙してなお堂々たる演技で応える娘役の女優
もう全てにおいて身震いするほどの鳥肌が 終始治まる事のない 完璧な説得力を放った
まさしく"ソナタ"と綴るに相応しい 怨念にも似た愛憎が渦巻く傑作

"親子"というものが先天的に持つ不完全さ
そこに"母娘"特有の同性の不条理と因果が 文字通り表裏となって回転している矛盾を よくここまで台詞と表情と口調で こんなにも如実に浮かばせる事ができるもんだと ここまで感心してしまう作品って ホントに数えるほどしかないと思う

-特別扱いを望んで
いつだって情状酌量を求めても
決して人には酌量はしない
いつか そんな自分の罪に気付くはず-

これほどまでに 人の心の核心をえぐってくる台詞ってないよな…
Yuya

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