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コフィーの一人旅のレビュー・感想・評価

コフィー(1973年製作の映画)
4.0
ジャック・ヒル監督作。

復讐に燃える看護師と麻薬組織の対決を描いたアクション。

70年代前半にアメリカで生まれた、“黒人による黒人のための映画”=「ブラックスプロイテーション」に属する低予算映画で、ロジャー・コーマン組のジャック・ヒル監督は白人ですが、主役を始めメインキャストを黒人で固めたブラックムービーの代表作となっています(もう一つの代表作は『黒いジャガー』(71))。

看護師のヒロイン:コフィーが幼い妹を麻薬中毒にした組織に復讐を果たすべく立ち上がる姿を描いたもので、公開当時珍しかった黒人ヒロインの怒りと憎しみが全編に亘って炸裂するパワフルなB級バイオレンスアクションであります。組織に接近するため売春婦を装い、腐敗した警官や政治家、そして大元締めの白人マフィアをまとめて成敗していくヒロインの孤軍奮闘を70年代ムード万点の音楽&ファッションに包んで活写しています。さらに、“おっぱいポロリ”をこれ見よがしに挿入したお色気カットも特色で、壮絶なバイオレンスとエロティシズムが融合した“これぞB級”な魅力を堪能できます。

主演は、ロジャー・コーマン監督のスタジオで電話交換手として働いた後、同監督の下で女優デビューしたパム・グリア。初主演作となる本作では、タランティーノの『ジャッキー・ブラウン』(97)で魅せた熟女の貫禄とは趣きを異にして、復讐に燃えるアフロヘアーのヒロインを溌溂と好演しています(巨乳はこの頃から…)。
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