ジョー・ペシが怖い…。公開当時に鑑賞した時は、ホームアローンずっこけ泥棒キャラからの高低差にアワワってなったものです。この彼のずば抜けた演技力見たさに何度か繰り返し鑑賞してしまう。アカデミー賞で助演男優賞を獲得しているのですね。
本作ですが、ヘンリー・ヒルという実在する元マフィアの半生を映画化した作品です。マフィアに憧れる少年期からマフィアの一員になって組織と一区切りがつくまでを描いています。
質量がやばくて分厚い本になりそうな情報量ですが、カラッとしたユーモアを織り交ぜながら、かなり軽快なトーンでまとめられていました。たとえば、人物紹介なんかがそう。ギャング仲間が集まる薄暗いバーで、主人公によるモノローグでたくさんの登場人物を手際よくまとめて紹介していくシーンは鮮やかでした。
無駄な演出を排除して、淡々とテンポよく進行していく感じの一方で、時折差し込まれるバイオレンス描写はとてもパワフル。その中心にいるのがジョー・ペシでした。あー怖い。ケビンにやられるずっこけ泥棒キャラだったくせに……。
そして、なぜか頭にこびりついて離れないのがエンドロールで流れるエリック・クラプトンの「レイラ」。公開当時のCMでも使われていて、「大統領になるより、マフィアになることが憧れだった」といったようなキャッチコピーのBGMに使われていたのをかすかに覚えています。