このレビューはネタバレを含みます
『大統領になるよりもギャングになりたかった』
スコセッシ監督特有のセリフの言い回しや会話劇にすっかり引き込まれました。全体的なテンポやカットのリズム感が良くて飽きずに見ることができました。
映像を一瞬止めて説明を入れるシーンなどは同監督の後の作品の『ウルフ・オブ・ウォール・ストリート』などで活かされている表現ですね。また実話をもとにしていたりヤクをキメていたりと何かと通ずるところがありました。
ジョー・ペシとロバート・デ・ニーロの演技が素晴らしかったです。特にジョー・ペシのどこに地雷があるのかわからない怖い兄貴の感じが良かったです。ヘンリーが薬に溺れ生気が吸い取られたような顔になっていくのも良かったです。
スコセッシ監督が得意な暴力描写やド派手な演出はずば抜けていました。殺人シーンの描き方がとても印象的で衝撃でした。音楽との融合も良くて最高にロックでした。
かなり面白かったと思いますが、この作品を見る前にコッポラ監督の『ゴッドファーザー』シリーズを観てしまったため、どうしても比較して観てしまいました。
実話ベースであるため話が少し地味で絵面も地味。そして主人公がナレーションをする形式が多かったので自分にはあまり合わなかったです。前半部部はかなり面白かったのですが後半は少し失速している感じがしました。