きえ

花様年華のきえのレビュー・感想・評価

花様年華(2000年製作の映画)
5.0
私の中の大人の恋愛映画ナンバー1
とにかく好き好き好き!
それだけで☆5.0

そう言いながらこの作品の初鑑賞はDVD。それ以来何度も観てきたけど遂に早稲田松竹のウォン・カーウァイ特集上映で初スクリーン鑑賞(^o^)/

その感動を記録に残したくてレビューを書きます。

【この作品の好きなとこ】

1️⃣監督ウォン・カーウァイ&撮影クリスト
ファー・ドイルの映像美
2️⃣トニー・レオン&マギー・チャンのキャ
スティングの妙
3️⃣弦楽器が奏でる官能的ワルツ
4️⃣大好きな香港が舞台
5️⃣レトロ感溢れる60年代
6️⃣マギーチャンの着こなすチャイナドレス
7️⃣隣人同士のシチュエーション
8️⃣当時の香港の生活が伺える間借り&屋台
9️⃣簡単に越えない恋

私が思う”不”の付く男女の関係は簡単であってはならない。色んな経験をした大人は恋の行く先がどうなるか分かってるから。そして恋の一番の醍醐味が”体の成就”ではなく”心の葛藤”によるエロティシズムにあると言う事も。

背徳心、倫理観、責任、立場、柵…
それらを抜きに簡単に一線を越えられるとしたら、そこには情緒も官能もない。
(個人的意見です)

その意味でとても好きなシーンがある。
マギーチャンがトニーレオンの滞在するホテルの廊下で、部屋に行こうか戻ろうか何度もターンし思い悩むシーン。

とびきりお洒落してるにも関わらずその先を躊躇してしまう女心。大胆と臆病が混在するその姿は艶かしい色香を漂わせる。女の気品とは深く葛藤出来るかどうかで決まる(個人的意見です)

この作品が気品高く美しいのは、触れそうで触れない2人の距離感。それでいて、そこはかとない官能を感じる演出と演技。

心は日々相手に向いて行くのに、体の距離は保ったまま。でも実は視線と視線のクロス、そして互いの匂い立つ存在そのものが既に心も体もを濡らしているのだ

心が濡れた恋…
それは美しき記憶として永遠に刻まれる

これこそが完璧に美しい恋愛映画❤️
きえ

きえ