精神病患者の治療に専念している看護婦（小川美那子）が、主治医（下元史朗）との情事を通しながら、病院の裏事情に肉薄していく。精神病棟に関わっている人間たちのセックス劇を描いている、日活ロマンポルノ。獅子プロダクション製作。

患者の治癒を優先させている看護婦と、私利私欲を優先させている主治医の軋轢。精神科医という職業に就いている人間の「特殊なモノの見方」を根底にしながら、「本当に狂っているのはどっちか？」に落とし込んでいく手法。

単純明快なセックス喜劇かと思わせておきながら、実はミスリード狙いのミステリー路線。「あの人も、この人も、実は精神病患者でしたー」という出涸らしのモチーフだが、成人映画のケレンミによってカバーされている。

「映画で頭のおかしな人を観ることほど面白いことはない」の法則が働いており、色情狂、飲尿愛好家、クリトリス肥大症患者など、癖のある人間たちがフィジカルな芝居を見せてくれる。片岡修二脚本の妙味を堪能することができる逸品。

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婦人科に来たはずが精神科に通される女。全体に何か雰囲気がおかしい。誰が病院側の人間で誰が患者かわからない。それでもそこにすぐ溶け込んだり、途中から狂っていく人もいて、白衣を着ていても色情狂だったりするから、真面目な看護婦は一人戸惑うばかり。

この頃の日本映画独特の怖さってなんだろう。『LSD-ラッキー・スカイ・ダイアモンド』の頭を包帯でグルグル巻きにされた女の子とか、これも全身を包帯でグルグル巻きにした男女のセックスシーンがあって、忌まわしい感じがある。
ラストも結構怖いと思ってしまった。

「君のサラダもいいねぇドレッシングかなんかかけて」「じゃあわたしはなにを食べればいいんですか」「特大のフランクフルトをご馳走するよ」下元さんの白い巨塔。ナースに小川美那子さんいたら大変。クリトリスがデカくて困ってるんです→膣痙攣→全身包帯→自殺未遂の精神病患者→点滴打って患者とセックス…いろいろデタラメな病院ですんごい気持ち悪い。薬の代わりにナースのおしっこ飲んでる江藤漢さんと下元さんが医局のライバル？湯呑茶碗に淹れてもらった小川さんの尿をお茶すするみたいに美味しそうに飲む江藤さんがよかった。小川さんのシャワーシーンとかやけに美しかった。助監督は佐藤寿保と橋口卓明。奥村幸士と片岡修二。