むささび

ソラニンのむささびのネタバレレビュー・内容・結末

ソラニン(2010年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます


また好きな映画が一つ増えた

自分のやりたいことがあれば、それをやればいい。ってすごく簡単のように思えるけど、そのことが自分にとって大切なものであればあるほどその一歩が踏み出せない。簡単に頑張れなんて言われたくないって言うのと同じように、簡単に自分のやりたいことをやれとは言われたくない。

自分に実力があるのか、ないのか分からない時間。勝負かける前、分からないでいられる時間は、はたから見ると呑気にしてると思われちゃうけど、本人は本当は辛かったりして、でもそれは逃げてるだけだから、それを誰かに教えてもらったり急かされたりするのはどうしてもつらい。

はっきりさせられない時間は、自己啓発本ばっか読んでるような意識高い系には無駄な時間と二言で終わらせてしまうだろうど、効率バカなインテリビジネスマンには理解してもらえないかもしれないけど、どうしたって時間がいるんだよ。

そんなことを思った映画だったけど、問題はもっと深刻で。ここに自分の大切な人が関わってくるからもっと絡まってしまう。2人とも悪くない。

自殺なのか覚悟を決めたかったのか。その上での失敗だったのか。わからない。わからないけど、わかりたくもない。そうやって苦しみながら前に進むしかない。

最悪なお別れだったけど、振り返ってもそれ以外の道はなかったように思えてしまう時間の流れ方は残酷で。

ひとつひとつの言葉が好きだった。あるセリフに対する返事のセリフも好きってなるのが多かったなー。

青春キラキラ映画ってあんまり好きじゃない。それはあんまり深く考えなくても、作品になる映画が最近は多いからなんだって思った。それほどあの瞬間は一瞬で輝いてる。

わざわざ深く考えなくても、キラキラしてられる瞬間。人生のうちで作品になり得る、切り取られる瞬間。自分が何者になれるのかわからなくていい瞬間。でも可能性を感じられる瞬間。
とてつもなく眩しい瞬間。

だからって、青春映画=美男美女の恋愛映画一本で、とりあえず設定だけねじくりまわして、適当に量産されたら大事なことを見失ってたじゃないか!!!って人のせいにしたりして、

この映画にはすごく大切なことを教えてもらいました。
むささび

むささび