このレビューはネタバレを含みます
普通を望む少年住田の人生は普通の真反対の人生。
育児放棄、虐待の苦しみ、憎しみ、寂しさ、怒りが一つになった感情を表現する染谷将太の表現力が素晴らしくて、でもその感情は決して虚しくない。
二階堂ふみが演じる親から虐待を受ける茶沢の無邪気さ、そして寂しさが切ない。
ホームレスが生きていく為の選択をした結果が犯罪で、人生が狂っていく様、
親の無責任さ。
15歳にして自殺願望。
実の親を殺すまでにした周りの大人の無責任さ。
絶望に溢れた住田の人生に現れた明るく能天気なクラスメイト茶沢は住田の人間性に惚れ込み住田に近づく。そんな茶沢が住田の人生の小さな希望になっていく。惹かれ合う2人は生きることにおいてとても無力なはずなのに、生きることに対する強い想いも感じる。園子温の世界に引き込まれて、恋しくも感じてしまった。私は一番好きな作品だなー