ナーガ

Tommy/トミーのナーガのネタバレレビュー・内容・結末

Tommy/トミー(1975年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

この映画、中学2年生の時に、ませた友人に連れられて映画館で観ました。当時は、あまり理解できなかったけど、なんかすごいもの見たなっていう印象でした。ロックオペラっていうものを初めて観たのもこの映画だったので新鮮でもありました。

CSのザ・シネマでやっていたので、すごく久しぶりに観ました。

昔見た時は何かがぐちゃぐちゃドロドロと湧き出してくるようなシーンがとても気持ち悪くて印象に残っていたのですが、今回見たら、お母さんがテレビにビンを投げつけて割ったら中から水とか、チリビーンズとか、泡とかがたくさん出てくるシーンがあって、このシーンだったんだとわかりました。でも今見たら、そこはそんなに嫌じゃなかったです。


《あらすじ》
トミーの父親は戦闘機パイロットだったがトミーが生まれる前に戦死してしまい、母親ノラは一人でトミーを育てる。(6歳くらいの)幼いトミーを連れて参加したホリデーキャンプで、ノラはキャンプ案内人の軽薄な男フランクと出会い、一緒に住み始める。
そこへ、突然トミーの父親が帰ってくる。戦死は誤報だったのだ。慌てたフランクはトミーの父親を殺してしまう。
運悪くトミーはそれを目撃してしまいショックを受けるが、ノラとフランクから「お前は何も見ていない、何も聞いていない、何も話さない」と強要され、それからトミーは見えず聞こえずしゃべれない、無反応の子供になってしまう。
ノラとフランクはなんとかトミーを治そうと、マリリンモンローの像を崇める宗教に連れて行ったり、怪しげな薬を打たせたり、いろいろ試したけど治らない。もうどうしたらいいかわからなくなり、乱暴者の従兄弟のケビンとか、変質者のアーニー伯父さんに預けたりするが、トミーはひどくいじめられてしまう。それでもノラとフランクは見て見ないふり。
ある日トミーは鏡の中のもう一人の自分に導かれるようにして、ガラクタ置き場にあるピンボールマシンにたどり着き、ピンボールを夢中でやり続ける。
フランクはトミーにピンボールの才能があると気づき、ピンボールをやらせるとあっという間にチャンピオンになり、フランクとノラは大金持ちに。
それでもトミーが何も感じられないままでは虚しいだけだと気付くノラ。鏡ばかり見ているトミーに苛立ち、トミーを鏡に向かって突き飛ばしてしまう。すると鏡が割れて、トミーは外のプールに落ちてしまうが、そこでトミーはなんとかもがいて水面から顔を出すと同時に、光が見えるようになる。目が見えるようになって自由を感じたトミーは、泳ぎ、走り、海岸にたどり着いて倒れ込む。ノラが「トミー、聞こえる?」と優しく語りかけると、トミーは昔の記憶を取り戻し、話せるようにもなる。
ピンボールのチャンピオンが、話せるようになったことは大ニュースとなり、彼は救世主のように崇められることになる。フランクとノラはまたトミーを使って稼ぐようになる。
しかし長くは続かず、信者が、こんなのはただの商売だと気付き暴動を起こして、ノラとフランクは殺されてしまう。

《感想》
こうして書いてみると、誰も幸せにならない救いようのない話ですね。
宗教とか音楽とかに熱狂することの虚しさを描きたかったのかな。あと、宗教でカネ儲けすることのバカバカしさとか。

1975年の作品なので、あの頃の時代の感じがよく出ています。ヒッピーとか暴走族とかリーゼントとか。

お医者さん役で、ジャック・ニコルソンが出てたんですね。今回初めて気付きました。ノラを見るねちっこい眼差しがなんともいやらしいです。いい意味で。

銀色の球体がテトラポッドのように積まれているセットどうやって作ったんだろう。転がっちゃうんじゃないかなあ。怪我人が出なかったか心配になりました。

最後、フランクの罪が暴かれなかったのは、スッキリしませんでした。

大物ミュージシャンが出てるし、曲はいいのですが、映画としてはモヤモヤが残るので、思い出補正しても高スコアにはできませんでした。
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