イチロヲ

Tommy/トミーのイチロヲのレビュー・感想・評価

Tommy/トミー(1975年製作の映画)
4.0
幼少時代のトラウマ体験により、情緒をもたない人間に育った青年が、ピンボール大会の王座君臨をきっかけに、神格化されていく。ザ・フーのロック・オペラを映像化している、ミュージカル映画。

精神不安定な主人公青年を演じているのは、同バンドのボーカリスト、ロジャー・ダルトリー。その他、ビッグ・ネームとなるアーティスト陣がゲスト出演しており、主人公に対してハチャメチャな荒療治を施してくる。

マリリン・モンローを崇拝するカルト教団の教祖エリック・クラプトン、主人公をサイケなアイアンメイデンに閉じ込めるティナ・ターナー、アホみたいな格好をしているピンボール王者のエルトン・ジョンなど、とにかくキャラが立ちまくっている。

主人公の神格化を通しながら、「意識革命」を説いていく語り口は、アメリカのヒッピー・ムーブメントの理念そのもの。また、「周囲の情報をシャットアウトして、自分自身と向き合う」というのは、ネット社会の現代にこそ必要な観念といえる。
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