三樹夫

ドラえもん のび太の創世日記の三樹夫のレビュー・感想・評価

2.9
F原作の大長編の中で評価が低い今作だが、それも分からないでもないというか、この映画はFのジオラマ趣味の延長だ。夏休みに仲の良い友達と集まってチマチマ何かを作るの楽しいな~という映画だ。この映画でやってるのは別世界を創るという超大規模なジオラマ。シミュレーションゲーム好きとかなら楽しそうだなと思えると思う。

同じ作者で、この映画と同じような(元ネタ的な)創生日記という話があって少年SF短編に収録されている。大長編シリーズでいうと竜の騎士が似たタイプだと思う。
この映画は特に敵らしい敵がいるというわけではなく、のび太たちも歴史が流れるのを見守る(ある程度介入はするが)傍観者でしかない。そこが問題になってて、この映画の目的というかゴールが見えづらい。どこを見て楽しんだらいいかとまどってしまう。勿論地球が創られ歴史が流れていくのを楽しめばいいわけだが、ドキュメンタリー的というか、大長編ドラえもんシリーズの非日常に行って冒険のアドベンチャー的わくわく感が大きいわけではない。知的興奮のわくわく感はあるしジオラマ的楽しさはあると思う。

個人的なドラえもんあるあるとして、短編ドラえもんを読んでたらジオラマがすごい楽しく見える、影響されるというのがあると思う(ドラえもんにはジオラマ関連の話がいくつかある)。ドラえもん読んでるとスネ吉兄さんからジオラマに欠かせない三感という女にモテない知識を教えてもらえる。この映画好きという人は作者とかなり波長が合う人だと思う。
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