ポケ文太郎

ベビイドールのポケ文太郎のレビュー・感想・評価

ベビイドール(1956年製作の映画)
4.0
エリア・カザン監督が撮った『欲望という名の電車』と同じテネシー・ウィリアムズ原作の作品

ジャケにもなってるキャロル・ベイカーの可愛い寝姿から一転夫婦の叫びまくりの言い争いで始まる本作
幼妻をもらったものの20歳まで「夫婦の営み」はおあずけ!の状態で一年
もうすぐ妻の誕生日♡うすらハゲの中年夫は待ちきれないのか、必死すぎてみっともない
彼のライバルであるイタリア系移民の中年男性も絡んできて、中年男ふたりと幼い娘の三角関係

ただ本作は普通のロリータ映画では全然なく単純なメロドラマでもありません

アメリカ南部の何もない田舎町、綿花で成功していた地元の有力者が未成年の妻を得るなんて、この時代よくある事
当時、女性だけでは自活できなかったので亡くなった父親も娘の将来を心配してうすらハゲに嫁としてくれてやったんだとは思います

思い通りにならない幼妻には手を焼き
頭が切れる移民の男の登場で事業は傾きかけ
妻の心まで奪われてしまいそうになってしまう男

いくら妻の名前を大声で連呼しても、それは愛情表現ではありません

必死過ぎる中年男の姿は、時代についていけない南部男の価値観を表しているかのよう

だった一晩で状況が変わってしまった夫婦の話
「明日になればわかる」
寝て起きても現実は変わりませんが受け入れる準備はできるのかも…
ポケ文太郎

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