このレビューはネタバレを含みます
蛇口からシンクに、ぽつぽつと落ちる雫の音が映画空間全体に響いて、染み込んでいく。
それは時計の針の音のようにも、心臓の鼓動のようにも思えて否応なくながれる生のリズムを感じさせると同時に、
経血みたいにも思えるし、経血みたいに自分では止めることができない感情のようにも思える。
それらは全て、死だけに向かう。
男性との関係は最後に命をもたらして、生を残して繋ぐけど、恋愛感情はただ死だけをもたらす。
わたしの中の美津も、映画と同じようにつまんない男だけを残して死んでしまった。