風たちの午後の作品情報・感想・評価

風たちの午後1980年製作の映画)

製作国:

上映時間:105分

4.0

あらすじ

「風たちの午後」に投稿された感想・評価

高田A

高田Aの感想・評価

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世の中に「愛」と「恋」の違いを語る言葉は数多く存在するが、この映画の前ではそうした説明めいた言葉が野暮なものとして聞こえてしまう。今にも風に溶けてしまいそうな夏子の声を大切に頭の中で反芻させることで、「愛」の抜き差しならない残酷さが浮き彫りとなってくる。それでも愛する人のためだけの薔薇が敷き詰められた部屋で、彼女の幸せを想う。
中間考査が明けてから1週間、週終わりの金曜だ。眼鏡を忘れるという始末。メガシャキも飲んだ。だが蓋を開けると平凡だったという事実。この行き場のない感情はどこに吐けばいいのだろうか?(本作の主人公のように和式便所か?)監督の意向に基づく演出、訳分からん音の小ささ…ノスタルジックな画は好きだ。ラストショットのバラ、絵画のようだが、恐怖心を抱かせる。痺れた。再見したい。しかし、どこにも円盤は無い。(今回は劇場にて。)この憤りはどうしたら…(当レビュー2度目の発言)ここから往復を繰り返す→
40年前の映画なのに、時代を感じさせない。

意図的にセリフや音は小さい、場面によっては聴き取れない。

それでも、登場人物の表情だけで、感情は伝わる。

女の子が女の子に恋をする映画。

人が人を好きになる時、こんな表情をするのか。
美津を独り占めをしたいと思った時から、夏子はもがき、嘘をつき、結局2人の関係は取り返しがつかなくなる。
愛が動機なら、やってはいけないことなんて何ひとつない。

離れたからって愛は消えないので、後半は夏子の狂気が描かれる。

恋に狂う夏子も切ないが、クールだけど悲しい時に悲しいといえない美津も切ない。

ラストシーンは、酔っ払いのお客から花束をもらって嬉しそうに笑う美津の姿を見て、夏子は自分もあんな風に、花のように愛されたいと願ったのかなと思った。
n

nの感想・評価

3.7
観た直後はただ単純に怖かった。
ラストの仕掛けにも気づかないほど話の展開が予想外すぎて、薄目で見ている箇所もあった。40年前の映画なのが信じられない。観て何日か経つと、純粋な恋愛映画だったのかと思うようになった。
箱庭世界で美しい夏の午後。
愛が動機なら、やっちゃいけないことは何一つない
覗き見てるような気分になるカメラワークとか、聞き耳をたてているような気分になるささやき声や物音のせい(おかげ?)で、観ているこっちが変質者みたいな気持ちになってきて、その感覚がクライマックスで主人公とリンクして妙な快感を覚えてしまった。素質があるのかもしれない。

主演の方がとても可愛くて、それだけに気味が悪い。でも嫌悪感はなくて、なぜかストーキングを応援してしまう。
(おかずクラブオカリナに似てるんだけど普通に可愛くて超上位互換という感じ)
ファッションとかヘアスタイルが全く古びて見えないことに驚いた。

あと劇伴もだけど、喫茶店とかバーで何気なく流れてる音楽がとても良いなと思ってたら、エンドロールにdrop'sというバリバリ現代で活動中のバンドの名前が。リマスター時に追加したのだろうか?詳細がわからない。
ピピン

ピピンの感想・評価

4.0
荒いけど繊細な作品だ!
これが学生時代の作品なのだから凄い。

ワンシーン、ワンカットを考え抜いて撮影しており映画愛に溢れている。

成熟した演出をしようと頑張っているが、逆にそれがわざとらしく感じる部分も有り微笑ましい。

女を描いたシナリオだが、男目線丸出しなのが面白い!
これは今で言う同性愛やストーカーとは違い、あくまで男から見た女という生き物の特徴を誇張しているに過ぎない。

好き嫌いは別にして、本当の意味での映画好きは皆この作品を楽しめるはず!

音声だけは何とかして欲しいが、それでも映画愛に溢れているので全てOK!
「ただ誰かを好きになるってことをやりたかった。」
レズビアンや、ストーカーって言葉がまだ浸透していなかった時代、、の映画。


ラストがとても鮮明。

このレビューはネタバレを含みます

2019/05/19
醜い、ということの持つ綺麗な何か。
社会規範からは到底外れたアブノーマルな行動も、夏子が垂れ流す吐瀉物も、愛する人の部屋から出た生ゴミを食べる夏子も、愛故の、という理由が付くだけでこんなにも美しく見える。
冒頭近く、あのタイトルコールが出てくるワンカット、あの画がこの物語のテーマ全てを語っている。
人間を愛するということは、無条件で美しいということ。そして、女性という存在の内部にある、グロテスクでもあるが故の美しさ。
蝿が飛ぶ程に、腐った臭いを発しているであろう「あるもの」に囲まれた夏子を写すあのラストシーンで、夏子は女性が宿命的に内部に抱え続けることになっているものを、観客には見えない形でさらけ出している。
映画であるがゆえに、我々が綺麗に捉えることが出来る生臭さを、見事に映像化しているように思える。
視線の向け方、全ての目線に意味があってすごいなぁと思った

最後のシーンは私にはとても難しかったんだけど…どこまでが幻想、妄想なんだろう。


突然のカラーで際立つ赤い薔薇が印象的

途中で美津と夏子が街に繰り出すシーンは何も悩みがない楽しく無邪気な二人という感じでその後の物語のギャップも含めて良かった。
しも

しもの感想・評価

3.8
怖い。
これが観賞後の率直な思い。
強すぎる愛は時に人を追い込む。それは時代を超えて普遍的だ。
モノクロって、なんてカラフルなんだろう。女性の肌の美しさも際立つ。ファッションもカッコいいし、何よりスタイルが美しい。
40年前の矢崎監督のセンスに脱帽…
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