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ガス燈のucandoitのレビュー・感想・評価

ガス燈(1944年製作の映画)
4.0
1944年アメリカ映画でジョージ・キューカー監督(マイ・フェア・レディ)の心理スリラー。
日本は総力戦で戦意高揚映画しかなかった時代にこれですか。
いやあ、無謀な戦争をしたものですな。
舞台は19世紀末のロンドン、馬車にガス燈の時代です。
純真なイングリッド・バーグマンが宝石の魅力に狂った夫(重婚で殺人犯)の心理的虐待によって精神病に仕立てられる話。
相当にショッキングな内容だったようでCambridge Dictionaryによると、gaslighting=a form of psychological abuseだそうです。
まあ、いつも良い人のジョセフ・コットンが出ているのでひどいことにはならないのは分かっている。
しかし、夫(シャルル・ボワイエ)のエグい心理的虐待でバーグマンが壊れていくのが可哀想で見ているのが辛かった。
物語としてそれだけ成功しているということでしょうね。
ボワイエもバーグマンもなかなかの演技で引き込まれました。
ネタは最初からバレバレなのでサイコスリラーでしょうか。
ボワイエの狂いっぷりもなかなかですがバーグマンはアカデミー受賞だそうです。
彼女は整いすぎた顔立ちから、美しいけれど魅力のある女優さんだとは思ってませんでした。
しかし本作では可愛く綺麗で、最後は毅然としました(ここがカッコよかった)。
下品で感じの悪いメイド、ナンシー役アンジェラ・ランズベリーは名家の出で、その後ブレイクして「ジェシカおばさん」になったらしい。
そして94歳の今もご存命で2年前には二本の映画に出演されているとか。
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