オトマイム

野性の少年のオトマイムのレビュー・感想・評価

野性の少年(1969年製作の映画)
4.0
トリュフォーは子供を撮るのが本当に上手い。演出は淡々としているのになんだかずっと泣きそうだった。話は『ジャングル・ブック』の少年版『奇跡の人』みたいな実話ベース。森でひとり生きのび人間の言葉を解さず聴力もない(と思われた)、そんな野生動物のような少年を、トリュフォー演じる博士が引き取り教育していく。まさに獣のような少年の演技がすばらしく、彼がどんどん人間らしくなっていくようすは感動的だった。相手のてのひらを自分の頰や頭にそっと当てる仕草が愛おしい。

最近トリュフォーの未見のものを潰していったり好きなものを見直したりしている。これは初見だったけど予想以上にすばらしかった。