とにもかくにも松田優作がかっこよすぎる。もちろんそのために作られた作品なわけだけど。
優作は完全にブルース・リーだな。髪型もモロだし、面長で逆三角形の輪郭も似ている。タッパは段違いだけど(脚長すぎ!)。最後の校長との戦いも『燃えよドラゴン』のハンとの死闘そのものだし。
表情や全身からにじみ出る殺気がすごい。観ててゾクゾクする。さらにときどき狂気すら感じさせる。校長を倒し日本刀で切りつけようとしてなんとか思いとどまったあと、外の鉄柵に日本刀を打ち付けるところなんてまさにそう。
色がめちゃくちゃ黒いけど、地黒? ドーラン?
引きの画になるとどうしてもコータロー(ザ・コレクターズ)とダブる(笑)。まあコータロー自身も相当意識してるだろうけれど。
舘ひろしはまあ新人だからいろいろと仕方ない(笑)。優作との喧嘩シーン、凄みをきかせまくる優作に対して、ふだんは粋がっているものの、どこか怯えたような表情を見せるのは演技なのか地なのか。優作が色黒のブルース・リーなのに対して、舘は色白で目を見開き、唇を血に染めているあたり、バットマンのジョーカーを思い出させた。
女性教師、妹と女性の扱いがひどいのがキツイ……。あの頃はこんな感じだったけど今だったら大騒ぎになるかも。
ツッコミどころはたくさんあるが、なによりも校長室に日本刀の真剣飾っといちゃまずいでしょ! いや、あの頃はとくに問題にならなかったのかも?
ランニングの途中であれこれ悪さするシーン、『マカロニほうれん荘』の文子先生と不良たちのシーンそのものだけど、これが元ネタなのかな? 映画が76年だからありえるな。
クールスが出演してて、この頃はロッカーズ崩れのスリムなファッションだったのが、いつから横浜銀蝿みたいな白のボンタンになっていったんだろう? 「不良」から「ツッパリ」に変わるのと同時期?
ポスターのタイトルロゴ、なんであんな黄色い直線文字になってるんだろう? 本編オープニングの赤いペンキ文字のほうが迫力あるのに。DVDになったときに変更されたのかと思ったら、公開当時のポスターでもあの直線ロゴだった。
オープニングで学校に入る時、エンディングで学校を出る時、スキットルをクイッとやるのがかっこいいね。
映画としては★3だけど、優作のかっこよさで1つ追加の★4。