千里

十三人の刺客の千里のネタバレレビュー・内容・結末

十三人の刺客(2010年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

2017年1月現在放映中のドキュメンタリードラマ「山田孝之のカンヌ映画際」で本作の話が出てて興味を持ったので鑑賞。1963年の「十三人の刺客」のリメイク作。いやー!凄い!!ここまで凄いエンタメ作品だとは思ってなかったのでびっくりした。

まず何といってもキャラクター。敵味方問わず個性が凄くて素晴らしい。特に稲垣吾郎さん演じる殿。殿がほんとに残虐非道で見てるこっちも本当に「酷い...」と思ってしまうくらいなのに、どこか憎めないバランスになっていて凄い。味方側もメイン数人はキャラ立ってるし、やっぱり強いキャラは戦い方もキレがあってかっこよかった。あと途中から出てくる山男。あいつは何者!?w おかしなこと言ってるし、おかしな行動もするし、不死身だし、どう考えても人間じゃねぇwww あれほんとに妖怪の類だったんじゃないかなって思ってる。といったようにキャラクターの個性の立たせ方が良かった。

次に戦い方。終盤50分(?)くらいの戦闘シーンはほんとに圧巻。まず少ない人数で大多数を相手にしなくちゃいけないので、仕掛けなども使うのだけどこれが凄かったなー。この辺りは「七人の侍」を連想しちゃうけれどそこはやっぱり現代版時代劇。仕掛けのレベルが違う。大多数をまずは 柵で分断 ⇒ 地の利を使って戦いを優位に進める ⇒ 弓矢で攻撃 ⇒ 火を纏わせた牛を使って攻撃させる ⇒ 屋内にしかけた爆薬を爆発させる ⇒ そこそこ人数が減ったところで刀を使って戦い始める という流れ。殺陣のレベルも非常に高くて素晴らしかったし、「アベンジャーズ」の終盤30分や「ガールズ&パンツァー 劇場版」の戦車戦レベルのパワー溢れる戦闘シーンで、一つ一つのレベルが高く迫力も満天だった。そしてそんな戦を見ながら楽しいという殿がまたね。普段残虐非道な行為をしているのも平和すぎて退屈だったんだろうなーって同情の余地なんかないはずのに、何処か同情してしまうような。ほんとつくづく良いキャラしてた。ラストの新左衛門と半兵衛の戦いも道場なら五部と五部だけど、これは何でも有りの戦なんだって思いが滲み出るあの戦い方も良かった。そして半兵衛の首を蹴る殿。ここまできてまた殿かよって思うかもだけど、それくらいやっぱり印象深いキャラクターなんだよなぁ。最後に死を前にした殿が「今日が一番楽しかった」と新左衛門に言うシーンも印象深い。

ここからちょっと気になった部分。十三人の刺客ということだけれど、十三人は流石に多すぎないか?というところ。多すぎてモブくらいの扱いで印象が残りにくかった人も半数くらいいたというのが正直なところ。あと途中自爆する人がいるんだけど、いくらなんでも血の量多すぎないかって部分が気になった。そして首を刺されたはずの山男、最後首の傷なかったんだけど本当になんだったんだあいつは...w

という風に気になった部分もあるにはあるけれど、もう終盤の戦闘が凄すぎて大満足だったので些細なことな気もする。あと前半のグロ描写とかも気合入ってて凄かったし、とにかく全体的に面白かった!!

最後に。山男が村で女を片っ端から抱くシーン。女たちだけじゃ飽き足らず男までwwwwwww まさかのホモォ展開に大爆笑だった。映画見ててこんなに笑ったの初めてかもしれない。当時劇場で見た人たちもあのシーンは堪えきれず大爆笑があったんじゃないかと気になる。
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