パンケーキレンズ

ONCE ダブリンの街角でのパンケーキレンズのレビュー・感想・評価

ONCE ダブリンの街角で(2007年製作の映画)
4.0
いつも音楽が真ん中にある映画♪

だから、1曲1曲にタイトルがあっても、主役の2人には名前がないんですよね・・・

照明も喝采も浴びる事のない、パーソナルな曲たち
それが、この映画の全てであり
それが、2人そのものでもある

そこに絶妙に展開される男女の距離感
それぞれの環境と
それぞれが生きてきた道が
指先とメロディと歌詞で表現される
出会って
歌って
音楽が生まれる一瞬を共有した2人が
最後に選んだ生き方というのは
まるで
決して交わることのない五線譜のようにも見えた

低予算だからこその
やや不安定なカメラ
やや長回しのカメラ
それによって、不穏な空気と力強さと儚さなんかの、色んな色んな感情が、痛いくらいに映し出されてた

特に
電池を買いに行った後の「女」の歌が好きすぎる♪

2人のドラマが一気に加速するラストの展開に鳥肌

監督と主演2人の、映画の外での距離がやっぱり効いてるな〜!