ミシンそば

ディナーラッシュのミシンそばのネタバレレビュー・内容・結末

ディナーラッシュ(2000年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

厨房で働く人々が、何度も自分達の仕事を「戦争」と表現するが、その表現が全く間違っていないと思えるほど忙しい。
旨そうな料理はずっと出てくるのに、序盤段階ではあまりそちらを「旨そう」とは感じない。

オーナーのルイスの息子、ウードの横暴な態度や、ギャンブルキチな副料理長ダンカンのクズムーブと、それが原因と言っていいルイスの親友の死が尾を引くせいだろう。
だが、借金の取り立てに来たギャングの毒殺を提案され、ステーキに毒こそ盛ったが運ばせることなくすぐ捨てる。

クズではあってもシェフとしての「矜持」が、ダンカンにはある、と分かった瞬間から料理がとても旨そうに感じられるように見えた。
特に茹でたてのロブスターはインパクト抜群だ(盛り付けかたはいただけないが)。

群像劇だけあってそれ以外のキャラにも見せ場はあり、悪役的な立場のギャングや、比較的終盤に出てくる生真面目な刑事とその妻、嫌みな画商、雑学博士のバーテンなんかは皆キャラが立っていた。
そして最後は、ルイスの予想以上の老獪さと、意外なキャラの活躍で以て締められる。
これには正直驚かされた。