柏エシディシ

ディナーラッシュの柏エシディシのレビュー・感想・評価

ディナーラッシュ(2000年製作の映画)
4.0
鮮やか。レストラン映画の傑作。
「ボイリングポイント」の口直しに。
NYの人気レストランのある一晩を切り取った群像劇。
親友をギャングに殺された店のオーナー。その息子で女たらしながら腕は抜群のシェフ長。
賭け事で身を持ち崩したスーシェフ。
客の美術商とアーティスト兼業ウェイトレス。
どんな質問にも答えられるバーテンダー。洒脱でどこか謎めいた株ディーラーの男。
そして、不倶戴天の敵のギャング兄弟。
各エピソードが小気味良いテンポで"調理"され、クライマックスに向かって集束していく。
展開の鮮やかさ、見事さに嘆息する。
台詞の応酬もいちいち気が利いてて面白いし、レストランというワンシチュエーションだと感じさせないカメラワークや映像のカット割りも飽きさせない。
「ボイリングポイント」もこういうのを見たかったのだ。
名優ダニー・アイエロの渋い存在感、素晴らしい。
先日惜しくも亡くなったマーク・マーゴリス(「スカーフェイス」「ブレイキングバッド」)が偏屈でありながらどこか愛嬌を滲ませるアートディーラーを好演していてこのタイミングでの鑑賞は思わぬ追悼となった。
監督ボブ・ジラルディが実際にオーナーであるというレストラン"ジジーノ"はいつか行ってみたい"映画の舞台"のひとつ。
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