リグレット

ベルリン・アレクサンダー広場のリグレットのレビュー・感想・評価

4.0
第一次世界大戦による敗北から間もない1920年代の不況に喘ぐベルリンを舞台にフランツ・ビーバーコックという暴力的でエキセントリックなデブが主役の一大叙事詩(といってもごく限られた数年の話だが)。とにかく初めから終わりまで観るのがしんどくなるような暗い物語と時代背景。時代や歴史を直接紐解くようなことはしないのたが、市井の人たちの様々な生き方や描かれ方がなんとも暗くてまあいい話がない。政治に首を挟もうとするビーバーコックだが、結局はどっちつかずで自分の生きていくことで精一杯。それでもヒトラーの足音が確実に近づいていること、そしてそうならざるを得ない空気感をひしひしと感じる。自宅で鑑賞したからいいけど、これを映画館で観たらもう更に居心地が悪かったろう(その分映画の世界にはまれるのだろうが)。
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