リグレット

葬送のカーネーションのリグレットのレビュー・感想・評価

葬送のカーネーション(2022年製作の映画)
3.6
国境を巡る老人と孫娘物語ということで、トルコが舞台の映画で老人だけ字幕もトルコ語とは違う言葉を話しているので隣接するシリアか、イランを目指すのか。もしくはクルド地域を目指すのかなどと思いを巡らしながら映画は展開していく。ヨーロッパの国境をテーマに据えた作品にテオ・アンゲロプロスの数多くの傑作があり、今作も人間が土地に恣意的に線を引いた国境というものに翻弄される2人をカメラはじっと見据える。劇中で説明を省かれてはいるが、両親を戦下で亡くしたと思われる孫娘、まだ遊びたい盛りなのに老人からは「早く大人になれ」とドヤされる。世代間ギャップもあるが、子供であることを許されない境遇がなんとも切ない。
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