トランスマスター

片腕ドラゴンのトランスマスターのレビュー・感想・評価

片腕ドラゴン(1972年製作の映画)
3.0
♯69 空手チョップの想像を超える威力

クウェンティン・タランティーノや
ウシャオスキー姉妹(兄弟)も愛した
カルトカンフー映画

舞台は中世の中国
主人公は正義感の強い格闘家チェンロン。
いかにも喧嘩が始まりそうな長椅子のある食堂で、チョウの率いるマフィアの手下と乱闘騒ぎを起こす。
チョウはチェンロンの所属するカンの道場に乗り込みチェンロンを引き渡せとカンに要求するが、拒否された為
ボス同士の頂上決戦タイマンに発展する。
その結果チョウは足に大怪我を負い退散。
メンツを潰されたチョウは、アジア各国から、インパクトのある顔をした武芸の達人を集め報復を決意する。

そのメンバーは…
①沖縄空手の二谷大先生
②一番弟子の長谷川先生
③ニ番弟子の坂田先生
→羽織袴に革靴を合わせる和洋折衷な大正時代のような人々。

④柔道の高橋名人
→畳の上でも靴を履く赤帯の柔道家
16連射はできません。

⑤テコンドーの金先生
→テコンドー特有の派手な足技を繰り出すわけでもなく衣装も怪しい偽韓国人。

チベットからやってきた密教武芸の
⑥ロン大師
⑦フー大師
→誰がどう見ても少林寺の破戒僧
秘孔を消し去り、身体を膨らませる秘術を使う。

⑧インドヨガのミスターモナシン
→得意技は、逆立ち(笑)

タイ式ボクシングの
⑨ナイ選手
⑩ミー選手
→闘いの舞と膝蹴り以外は、ムエタイ要素が怪しい2人。

これらの刺客とカンの門下生が戦う
異種格闘技コメディです。

◆良い点/注目ポイント
・ツッコミどころ満載な脱力映画として、これ程のクオリティを保った作品はありません。
・ジョンカー・ペンター監督作品との共通点
①乱闘の舞台となる食堂の背景にイラストを使用。
②ラスボスを倒してから残党を処理。

◆改善点
・カンフーの動きが遅いので早送りを推奨。あとムエタイ選手の体が硬過ぎてハイキックを放つ時に膝が曲がっています。

◆総括
・ゴールデンハーベストのロゴで始まり
「終劇」で終わる。
理想的なカンフー映像です。

日本語吹き替えで見ると、
悪のチョウがカンの門下生に対して自らの手下をけし掛ける時のセリフ
「やっつけろ-」に何度もズッコケます。

-2022年69本目-