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007/オクトパシーのtakのレビュー・感想・評価

007/オクトパシー(1983年製作の映画)
3.4
ロジャー=ボンド第6作。前作のシリアスなアクション路線から、ロジャー時代らしいエンターテイメントへとシフト。特にアクションでも活躍する大勢の美女軍団を観たければ、シリーズ中唯一の該当作。謎の女性オクトパシーが率いる軍団、サーカスの美女たちが躍動するのを、鼻の下伸ばして眺めるにはもってこいの一作。ロジャー・ムーアが「ラブシーン以外はスタントマン」と揶揄されるのもわかる気はするw

しかしスパイ映画らしいギミック感は楽しいし、凝ったアクションも満載。冒頭の飛行機アクション、ボンドカーこそ出てこないが激しいカーチェイスもあり、プロペラ機にしがみつく決死のクライマックス。高所恐怖症には辛いw。爆破のタイムリミットが迫るハラハラ、美術品をめぐる事件とソビエトの関係解明もあり、全編通じて楽しめる娯楽作になっており、興行収入でも成功を収めている。

WWⅡ後の東西冷戦が雪解けに向かっている時期(1989年のマルタ会談で終結)の映画だけに、ソ連からの動きはタカ派のいち将校が企んだ陰謀とそれに協力する富豪が悪役で、国の作戦でスパイがぶつかり合うお話ではない。そこは時代を反映していると言える。好戦的なソビエトの将校をスティーブン・バーコフが怪演。イギリスの俳優さんだけど、ロシア人の悪役が多い人だよね。

ボンドガールは「黄金銃を持つ男」から2度目の出演となる北欧美人のモード・アダムス。ボンドに個人的な事情から並々ならぬ興味があり、裏社会の取引も手掛ける大人のデキる女。当時歴代最年長のボンドガールだった。先頭切って乗り込んでおきながら、アクション場面が今ひとつなのはやや残念だったが、その分補佐役の美女クリスティナ・ウェイボーンが活躍してくれる。

2022年11月配信にて再鑑賞。
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