このレビューはネタバレを含みます
これまで完全にノーマークだったミケランジェロ・アントニオーニとモニカ・ヴィッティの組み合わせが、極私的にツボ。
個人的には白黒の「太陽はひとりぼっち」のほうが、都会の空虚さや俳優陣の心象心理の描き方が洗練されていて、好み。
モニカ・ヴィッティは白黒のほうが、より魅力が増す。
この人の独特の笑い方、画面に浸透する指先の動き一つに、監督も魅せられていたんだと思う。
不穏な空気と孤独な人間達、
人工物でありながら、終始人間を嘲笑うかのような工場のけたたましさが、
見事に対比されている。
工場と人間、
動かされているのは果たしてどちらなんだろうと、問いを抱かずにはいられない。