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La diagonale du fou(原題)
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『La diagonale du fou(原題)』に投稿された感想・評価

Omizu
3.6
【第57回アカデミー賞 外国語映画賞受賞】
リチャード・デンボ監督によるスイス映画。アカデミー外国語映画賞を受賞した他、セザール賞第一回作品賞も受賞した。

ミシェル・ピコリ、リヴ・ウルマンというスターが出演したチェス映画。ソビエトの老選手とハンガリーの若手選手がチェスのチャンピオンの名をかけてデッドヒートを演じるという内容。

そこにソビエト、ハンガリーの政治的背景、さらに選手個人の内情などを入れ込みコンパクトにまとめているという印象。

チェスという日本人にはあまり馴染みがないテーマな故に日本公開はされなかったのだろう。割とよく出来てはいるが、地味といえば地味。チェスのルールが分からなくても一定の面白さは担保されている。

演出や脚本も安定した語り口をみせており退屈しない。繰り返されるチェスのシーンもテンポ良くまとめている。

この年は大してライバル作品もなかったので外国語映画賞を受賞できたのであろう。ある意味ラッキーな受賞だったのだと思う。
[チェスと政治の全方位戦争] 80点

80年代にアカデミー国際長編映画賞がイカれた選出を繰り返していたことはホセ・ルイス・ガルシ『Volver a empezar』でも述べた通り。本作品は同作と並んで受賞作品の中で日本公開されていないたった二作のうちのもう片方である。私が初めて映画リスト制覇を試みたのが(ありがちだが)アカデミー作品賞で、そこから飛び火してこちらのリストも作成したのが10年前だが、『ファニーとアレクサンデル』を挟んで未公開が並ぶ奇妙さを未だに覚えている。本作品はあからさまにヴィクトール・コルチノイとアナトリー・カルポフのチェス対決を念頭に置いて作られたであろう、東西冷戦のイデオロギー対立をチェス世界に落とし込んだ作品である。 

チェスの世界チャンピオンであるアキヴァ・リープスキント、そしてソ連からスイスへと亡命したアキヴァの元教え子パヴィウス・フロム。二人は世界チャンピオン戦としてスイスで対決することになる。"ソ連体制vs亡命者"という図式以上に、ゲームは周りの取り巻きたちや観客たちによって政治色を帯びていくが、本人たちにとっては因縁の師弟対決に他ならない。互いの得意な攻め方/守り方を知っているからこそ、どの手法を取ってくるかなどという盤上以外での心理戦もしっかり描いている。チェスをやってるシーンがほとんど出てこないくらいに(ゲーム自体はプレイ開始と投了シーンのみ)。また、アキヴァには体調、パヴィウスにはソ連に残してきた妻という心配事があり、この二つが駆け引きの中心となっていく。チェスは個人プレーで盤上に政治が乗っからない分、試合以外の部分=プレイヤーの二人以外の人間が"政治"を付加することとなり、チェスを政治にしたいけど出来ないという駆け引きが全方位戦争に発展するのはなんとも面白いんだが、アキヴァとパヴィウス界隈を平等に描く脚本のせいで映画があまりにも整いすぎた冷徹さを持ってしまい、チェス試合の熱量から乖離しているのはちと気になった。

アキヴァは補聴器を付けているんだが、集中したいときや人の話を聞きたくないときはこれを外して無音になるという演出が良かった。相手のいないチェス盤→ラストシーンの流れは素晴らしい。